お茶コラム『朝茶はその日の難逃れ』 No.41
お菓子を先に食べるのは何故?
お菓子を先に食べるのは何故?
皆さん、こんにちは。
店舗販売部の糟谷です。
あいや店舗では、ご来店していただいたお客さまに、お抹茶と干菓子をお出ししています。
茶道では、お抹茶よりも先にお菓子を食べるのが作法とされています。
なぜ、お抹茶とお菓子を交互に食べてはいけないか、皆さんは、疑問に感じたことはありませんか?
よく言われるのは、お抹茶にはカフェインが入っているため、空腹時に飲むと胃に刺激を与えてしまうため、先にお菓子を食べるという理由です。
しかし、茶道が誕生した時には、現在のような甘いお菓子はありませんでした。
砂糖はとても高価で手に入りにくかったため、自然な甘みのある果物や野菜などを使っていたそうです。
茶道の先生によれば、正式な茶会の席では、いかにお客さまにお茶を美味しく飲んでいただくか
を考えて、流れが決められているそうです。
会席料理の後、いわばデザートとしての主菓子→濃茶点前、口直しのための干菓子→薄茶点前となるため、略式な場合でも、お菓子が先になります。
また、お抹茶は冷めると風味を失ってしまうため、途中で休憩するのではなく、茶碗を置かずに、
飲むのだそうです。
今では、和菓子はおいしいだけでなく、見た目もとてもきれいに作られるようになりました。
店舗でお出ししている干菓子「松露」も、ただの丸い形ですが、もとは松露という高級キノコを形取ったものです。
お抹茶をいただく前に、まず和菓子を鑑賞する。
そして、和菓子を味わい、舌先に甘さが残っているところで、お抹茶を飲んで、その渋みとほのかな甘さを嗜むのが、一流のお茶通人-といったところでしょうか。
うーん、奥が深いですね。
店舗でよく「作法を知らないから」とおっしゃっるお客さまがみえますが、作法は作法として、
抹茶の作り手としては、なんだかんだ言っても、やっぱり楽しく美味しく飲んでもらうことが一番だと思います。
まずは、是非「我が家流」で、気軽にご一服。
砂糖を入れたり、焼酎に入れてみたり、いろいろな形でお抹茶をお楽しみくださいませ。